2013年12月7日土曜日

SIMフリーが紡ぐ未来の携帯競争

格安SIMを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)への注目度が一気に上昇。ブームに乗るMVNOの中からは大手の携帯電話会社(キャリア)にはない新サービスを開発し、価格競争を抜け出す動きが出てきた。

日本通信では、11月23日に最大1秒間に200キロビット(kbps)のデータ通信と音声通話サービスをセットにして月額1560円で提供する「スマホ電話SIMフリーデータ」を発売。

日本通信がMVNOの生き残りの秘策として考えているのはこれではない。現在開発を進めている「FMCフォン」(仮称)がそれだ。

FMCフォンの見た目は通常のスマートフォンだが、企業内にある「IP-PBX」という構内交換機(PBX)と連携し、会社にかかってきた電話を外出先でも着信できるようにする。会社の固定電話にかかってくるとデスク上にある電話とFMCフォンの両方を呼び出す設定にでき、会社にいるか外出するかに関係なく1つの番号だけで電話が受けられる。
(2013/12/6 7:00日本経済新聞 電子版)


日本通信はSIMの提供では一歩先を行っていた企業だが、昨今のSIM競争に巻き込まれて次の手を打ってきたようだ。そもそもSIM提供会社の多くがNTTからの回線借りをしている為コスト競争と言っても身を削るしかないので、自ずと限界がある。

日本通信、b-mobile FMC をNTT 東日本のフレッツ光向けに提供
日本通信株式会社(以下、「日本通信」という)は、東日本電信電話株式会社(以下、「NTT 東日本」という)のお客様向けに、フレッツ光用ISP サービスと3G モバイル通信用SIM を組み合わせたサービス、「b-mobile FMC for フレッツ光」を提供いたします。

とは言え2012年1月27日付けでニュースリリースとして上記サービス開始をアナウンスしている。これはモバイル通信サービス主体であるがすでに布石は打たれていたと思われる。

そんな中ででてきたFMCフォンの開発である。ではFMCとは何か?と言うと定義では以下のようになる

FMC(フィックスド・モバイル・コンバージェンス):固定通信と携帯電話の融合
FMCとは固定電話と携帯電話の融合のことをいう。
固定電話:ixed
携帯電話:obile
融合  :onvergence
という意味で「FCM」と言う。


これは固定電話回線を使った携帯の利用方法である。と言っても今の所、日本通信が提供する「FMCフォン」なるものを利用する事になる。会社では電話交換機に連携させて、社内内線や外出先でも、会社にいるごとく対応する事が可能になる。

電話番号も固定電話の局番例えば03でかけることが可能になる。また固定回線の無線専用回線を利用するため、セキュリティレベルもインターネットに比べて高いと言える。

家庭でも使えるようにクラウド型のPBXと家庭用の設置端末をおいて、同じような事ができるようになると言う。


実は以前FMCフォンとしてNTTは上図のような構成で売り出していた。筆者がコンサルティングをしていた企業でも採用されていたが、構内の無線状態が安定するまで内線電話としては厳しかった事を覚えている。

その後もFMCは話としてはいくつか聞いていたがNTTのような実際にサービスに至ったものは実は知らない。FMCフォンのきっかけとなった英国のBule PhoneもBluetoothを使う事がネックだったのか普及はしていない。

しかしこれらが実現でき使う事ができるようになれば、通信コストの削減だけでなく、ネット通信量の低減も可能になるだろう。ただ如何せんこの環境を使えるのが提供会社のFMCフォンだけとなると、いま使って居るiPhoneやAndroidのスマホが使えなくなる。会社でPHSの携帯を配布されているような二重持ちになるだろうが、会社が社員に提供する電話ならそれでも良いだろう。

家庭でも普及させるとなると嗜好が加わるのでハードルは高くなる。それでも毎月の通信費が抑えられるなら、まずは高齢者などスマホへの嗜好性が低い世代?から使ってみるのが良いかもしれない。


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