2014年1月27日月曜日

ドイツの「第4次産業革命」 つながる工場が社会問題解決

「「世界が直面している問題を工場が解決する」といったら、大げさだと思うだろうか。この壮大なコンセプトを本気で実現しようとしている国がある。ドイツだ。現在、ドイツ政府は「Industry(インダストリー) 4.0」(ドイツ語ではIndustrie 4.0)と称する高度技術戦略を掲げ、産官学一体のプロジェクトを推進している。
 そのコンセプトを一言で表すと、「つながる工場」である。インターネットなどの通信ネットワークを介して工場内外のモノやサービスと連携することで、今までにない価値を生み出したり、新しいビジネスモデルを構築したりできる。ひいては、それがさまざまな社会問題の解決に結び付くというのだ。」(2014/1/27 7:00 日本経済新聞 電子版)


すばらしい考え方である。記事タイトルの小見出しには「IT活用が鍵を握る」とあるが、もはやITの活用は、医業から小売り生産などありとあやゆる分野で鍵になっており、ITだけを取り上げてコンピュータ技術として他の分野とわけて考える事が難しい。ITはあって当然のインフラ、道具として定着し始めた感がある。いまスマホやPCを取り上げられたら仕事が全くできなくなるだろう。それが現実になっている。

だから災害などで使用できなくなった場合のBCP(business continuity plan)を考えて、対策を打っておかなければならない。

経営資源は「人、物、金、情報」と言われるように3原則から4原則になっている。その為企業経営にITは必須であり、使いこなした方が勝ちとまで言われている。しかしSAPを駆使したグローバルシステムを構築していたシャープでさえも窮地に陥る事がある。これはITの使い方を間違えたのかも知れない。グローバル化の落とし穴は「見える化」の推進でもあるが、自社状況は見えても世情を見る事ができないとこのような事に陥る。自社のコストやロジを詳細に分析できても、何を世間が求めているのかを知らないとビジネスはできない。その為皆こぞってビッグデータを駆使して分析を行い、行動経済に基づいて、施策を打つ。と言ったシナリオがいま蔓延っているのである。

しかし人の動きはITだけでは、読み切れない。ITが発達して仮想で遠く離れた所に行ける経験ができたとしても、遠隔地にいる人達の消費性向を読み取る事は難しい。そこに住んで、人と話してみても難しいのだから。それは株で動きが読めないように、傾向は分かってもタイミングが分からない事は多く出てくるだろう。

Industry4.0

まずIndustry4.0は第4次産業革命を意味しているという。インテグレーティッド・インダストリー : Industry 4.0のサイトから引用すると以下のステップを取っているという。
産業革命1.0
18世紀末期にイギリスで始まり19世紀半ばに終わりを迎えた最初の「産業革命」は、機械生産方法の導入によって、農業や手工業を基盤とした経済から工業および機械製造が牽引する経済への移行を体現しました。
産業革命 2.0
2回目の産業界の大変動は、20世紀初め、大量工業生産の幕開けの中で起こりました。ここでは組立ラインと工場という二大原則によって大量消費向けの製品が創り出されるようになりました。1970年代に入ると、電子工学および情報技術の発展が工業プロセスに配備され、生産の最適化・オートメーション化が実現しました。
産業革命3.0
第三次産業革命は第二次の段階で始まった生産プロセスのオートメーション化がさらに進み、これまで人間の責任にあった作業を機械がようになりました。
この次の来るのがIndustry4.0になる。これはいまGoogleやAmazonが進めているロボットによる作業が基本になるだろう。ロボットのブログでも書いたが日本では多くの産業用ロボットが開発され実際に無人化に近い所もある。言ってみればこれらをネットワークを利用して広く利用する事から始めるようだ。

(2014/1/27 7:00 日本経済新聞 電子版)


① ロボット同士のコミュニケーションがある
② 製品と作成するロボットのコミュニケーションもある
③ 倉庫とのコミュニケーション
④ ロジ(運送輸送関連)のコミュニケーション(調達、出荷)
⑤ 需要予測による工場コントロールでラインを動かしたたり止めたり
⑥ 工場間での製品部品のやりとり調整⑤④の自動判断

どうもこれらはコミュニケーション(通信技術)で成り立っている。高度にインターネットを利用することで、生産や移動を取り巻く環境がすべてスマート(利口に)に自律型で判断して動く環境を作り上げる。と言う理解になる。

これ程までになれば工場そのもので働く人はオフィスからモニタリングしているか、定期的な指示だけで物を作る事ができるようになる。しかし大量生産品や世界標準品(スマホの部品のように)を策定しなければこれは実現出来ない。群雄割拠する企業群の利益相反も、国の概念、なども見直す話になっていくだろう。

産業革命時には、蒸気で何ができるんだ!そんな事は無理だ!などの議論があったのだろう。革命は世界を豊にしたが、それまでの大きな大戦も経験する。革命が起きるとそれが定着するまでに多くの苦悩が待っているだろう。

しかしこれらが実現する事で自分たちが住む地球に優しい対応が可能になるならば、大いに推進されるべきだろう。またには明るい未来を考えるもの良いかも知れない。

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