2014年1月4日土曜日

WindowsXP カウントダウン 対応を急ごう

今日は表題にあるWindowsXPに関するまとめを行った。都合4回分を集めて修正加筆部分を赤文字にした。またポイントと思われる所に下線を引いたので、そこだけで読み飛ばして頂いても良いだろう。

いずれにしても、WindowsXPの課題は未だに多くの企業に残っている。特に日常的に使わない共有PCなどの多い。プレゼン用や臨時用でWindows XPのままになっているものがおおい。共有ゆえに多くの人がデータを持ち込む事になる。外部の者に貸す場合もある。当然リスクが高くなるので、日常使わないからと言って、そのままにしているとセキュリティ上の課題になる事は当然である。


Windows 8.1が移行先の本命


「Windows XPからの移行を考える企業にとって、Windows 8.1が移行先の本命になりそうだ。その理由は大きく三つある。(2013/12/16 ITpro)


  1. 8.1ではスタート画面をスキップして、起動後に直接デスクトップ画面を表示できる設定などを追加
  2. 8.1ではさらに、モバイル機器に対するセキュリティや管理機能を強化。
  3. 利用中のアプリケーションの互換性。
もともとXPから7への移行と、XPから8への移行で、アプリ改修の手間はあまり変わらないが、その8と8.1は「システムの互換性をほぼ保っている」8の登場から1年ほど経過し、「初期のバグも修正されている」(西野氏)と、8.1はOSとしての安定性も向上している。」

本当だろうか?1,2はまあまあ理解できるが、3は眉唾ものだ。いくつもの会社で確認しているが、8を採用した企業は、私の知る限りではいない。どの程度のソフトが互換が取れているか知らないが、どの企業でも相当な工数時間をかけてで移行している。ただ7と8でそれ程工数移行時間が変わらないのはアーキテクチャが一緒なのでこれは事実かと思われる。

1~3の問題よりは、どうせ移行するならサポート期間が長い8か8.1にした方が良いとの判断はできるだろう。現にフジテレビは2013年9月から2014年3月までに、社内にある約3000台のデスクトップPCをWindows XPからWindows 8に移行するそうだが、「Windows 7に比べてサポート期間が長いこと、今後モバイル端末との連携がしやすいことなどを総合的に判断して決めた」と最初に8への移行でサポート期間をあげている。モバイル端末との連携も移行理由にしているが、これからの話なので期待だけでこれだけの投資をするとは思えない。

記事に出ている6社は製造業はなく、金融・流通・サービス業などが多い。ここでも全社で取り組むのは一部であるから、これを持って8への移行が本命とは言えないだろう。


  • 大塚商会
  • 東京オート
  • ノボノルディスクファーマ
  • フジテレビ
  • 北國銀行
  • 明治安田火災


ただ7にかえるのと8に変えるのでは、正直変わらないだろう。安定をどこまで求めるかがあるが、8が一年経過したからと言ってバグが取り切れるだけ出荷されているかと言うと、そうではない。一年経って初期のバグが取り切れているとも限らない。

Windows8.1は少なくともOfficeを使う程度であれば正直問題無く動いている。大塚商会が初期画面をポータルで使うアプリを開発したそうだが、この初期画面を活かすことが普及のポイントになるかも知れない。


Windows XPへの移行選択



書籍Windows XP終焉対策を転じて業務改善しよう (デジタルブックレット)  で移行すべき背景などをまとめた小冊子をだしたが、「何をしていいか分からない」という話があって資料にまとめてみた。1つずつ説明していきたい。時間はまだあるがあと5ヶ月(いまは3ヶ月)であるので、これを長いと考えるか短いと思うのは、実施者の考え方と組織の柔軟性によって変わってくる。

考え方としては、現在のWindowsXPをすべてWindows7もしくは8に移行する必要はないと言う事である。いまやPCと同等の事は他の選択でも可能であるし、むしろ今後を考えると新たな選択の方が発展的である。





■ 実施すべき部署はどこか

そもそもこの時期に会社でWindowsXPへの対応ができてないとすれば、情報システム部の失態であるが、今回の大がかりな変更にあたっては、業務の改善が絡んでくるため「経営企画」を行う部著が音頭を取ることが必要である。いまやITの課題は情報システム部だけに任せていてはいけない。

戦略的転換を図るには、業務を見直し、それに必要な機材を用意するのが本来の使い方であるはずだ。既存のPCがあるから、WindowsXPの保守がきれるので、Office2003も終わるから。外圧がないと決められない事態があるとすれば問題である。

■ XPを移行する3つの方法

XPのPCをどの方法で移行していくかだが、以下の3つが妥当と考える。いろんなサイトでも書かれて居るがここでまとめてみたい。ただ当然だが、これは1つの方法で実現する事ではなく、組み合わせて実施するのが現実的である。

① 普通にXPモードから7もしくは8に移行する② XPからLinuxに変更する③ iPadなどタブレットに変更する





移行する背景(何故XPをそのまま使ってはいけないか、何が移行に関する阻害要因になっているか、など)も整理した書籍については以下を参考にして欲しい。




移行する3パターンの選別方法


昨日に続いて、XPの移行に関しての課題になる。昨日は3つの方法があると言う話であったが、ではどうやって3つに区分していけば良いのか。ここでは3つの形態を想定しているが実際には2つもしくは3つ以上と言う事があるかもしれない。PCをどのパターンで移行していくかは、最初に決定しておく事項である事は言うまでもない。

1.PCを使う理由を明確にする


これにはPCを使う目的から考えなければ成らない。何の為にPCを使っているのか?これおを明確にするために、本来なら業務プロセスから検討すべきではあるがあまりに大がかりに成るので、ここではPC機材の棚卸表を利用する。主に固定資産などの管理に資産管理表は作られているが、償却費など業務に関係のないものは予め項目を減らしてPCの棚卸表を作成する。

この場合明らかにPCを利用しないと業務ができない技術職や情報システム部など明白なPCを除外しておく必要がある。変更が可能な部署および役職に関してその対象とする。

この表に利用者と役職、主な仕事(具体的にどんなソフトを使って、どんな作業をしているか)を確認する。今回期限の切れるOffice2003に関しても、その利用方法を確認する。

① 資料の閲覧(これだけならPDFで良い:Officeはいらない② 資料の修正(修正程度ならOfffice互換ソフト(Google Appsなど)でも良い)③ 資料の利用(EXCELのマクロを利用ならOffice2007以降が必要)④ 資料の作成・開発(これまでと互換を取るならOffice2007以降が必要)

あまり細かく確認すると調査対象者が面倒になって正確に情報を集められないのでこの程度が妥当であろう。その他会社の端末としてホストに接続している、部門でパッケージを使っているとか、企業によって確認事項はあるだろう。


棚卸表の準備ができたら、期限厳守で各部署に配布して回収する。できれば社内サーバーを利用して、皆で棚卸表を更新できる仕組みがあれば進捗も把握しやすい。

2.業務から適宜分類する



棚卸表を回収したら、業務内容を確認し①から④の利用形態を判断した上で、PCの利用を3つの形態に選別する。機械的に業務の番号を見て区分する式なりマクロなり、プログラムを組んで行えば目で検証する時間が節約できる。この場合本人の意見もしくは部署の確認などをしていると、どうしても保守的な判断が入り、PCでない場合は抵抗がおきる事が想定されるので、会社として実施している事を明確に示す為、実施担当役員など置いて対処する事が必要になる。

3.WindowsXPからWindows○○に移行する場合


時間はまだあるにしても、調達には時間がかかる場合がある。過渡的な手段としての方法も含めるとWindowsXPから移行する方法は3つある。

① WindowsXPからWindows 
② WindowsXPからWindows 
③ WindowsXPからWindowsVista





①のWindows7は順当な移行であるが、移行したくても販売していない事実がある。大手なら交渉しだいで手に入る可能性があるが、中堅中小では厳しいかもしれない。その場合は現行OSであるWindows8を選択することになる。

しかし8.0Versionでは少なくともタブレットを見越した作りになっていて操作性に難がある。ただ8.1で「スタート」ボタンが復活するので、いきなりタイル画面ではなくデスクトップ画面(WindowsXPやWindows7のような最初に立ち上がる画面)を出す事ができるようになる。(実際できるようになっている:これまでとのイメージは異なるが)


それにしても、私も使っているが、兎に角どこに何があるかが分かりづらい。整理しすぎて機能が奥に入った事と、タブレット仕様であるため画面の端をマウスで往復させるなどしないと隠れていて出てこないメニューなど、およそキーボード向きではない。WebからPDFをダウンロードしたときでも画面が全部PDFのReader一色になってデスクトップになかなか戻れなかった。これには慣れるためには時間が多くかかり、業務的にも面倒な作業になる。

<Windows8でもパターンがある>

では一気にタッチパネルのPCにするば良いと言う贅沢な考えもあるが、全てとは行かないので、これもWindows8に移行するなら既存のPCへの移行と新規調達の2面からの判断が加わることになる。これだけでも移行パターンは増える。


Windows8になると、Windows7にあったXP互換モードがなくなる。最悪の場合Windows7であれば、XPでしか動かないソフトも稼働させることができる。Windows8にはそれができない。とは言うもののXPで稼働させている限りはリスクが伴うので、過渡的な対応に過ぎない。XPでしか動かないソフトに関しては、早期の開発依頼もしくはパッケージの選定など事前の準備が必要である。まだ5ヶ月(今から3ヶ月)あるので大がかりなアプリでなければ、対応は可能だろう。

<WindowsVistaへの移行はどうか?>

最後の③Vistaへの移行であるが、これはあまり現実的ではないものの可能性としてはパターンが存在する。ただVistaがでた頃に多く導入された希有の企業にしか適用できない。それはVistaに当初付属していたXPへのダウングレードである。これを利用してXPを使っていた人にはVistaにアップグレード(元に戻す)が可能である。これで保証が3年延ばす事ができる。とは言えこれも他のOSに移行できなかった時の一時しのぎとも言える。

しかし現実的に多額の費用がかかるので、一時だけでも、もしくは全体の一部だけでもこのような対応をすれば、コストを低減させることができる。加えてVistaは最新の8とのアーキテクチャが同じであるので、今後の移行に関しても有用性は高い。







今日はXP Count Downの最後になるが、XPのPCをWindowsOS以外の方法で移行するケースを取り上げる。方法としては、すでに(1)で示したように2つある。1つはLINUXを利用する方法とiPadのようなタブレットを使う方法で有る。

4.リナックスを使う方法


リナックスって何だという方もおられるかも知れないが、リナックスはFREEのOSである。実際に多くの企業でサーバーOSなどでも使われている。またユーザーインターフェースもWindowsにしているしファイルの階層もWindowsに似ているので、使い勝手は悪くない。




<リナックスを使うメリット

第一に、PCを活かすことができる点である。XP機であっても(2)で紹介したようなVistaからXPにした場合は、まだ機械として十分使う事ができる。Windowsだとお金がかかるがLinuxだとお金がかからない。

第二に、使えるソフトも殆どFreeである。Officeと互換性のあるソフト「LibreOffice」も用意されている。またマイクロソフトのOffice365はWeb対応なので利用する事も可能だ。その他メールソフトやブラウザーなども豊富にある。メールソフトではPCでもおなじみのThunderbirdもつかえるし、ブラウザーにはGoogle Chromeもあるので操作性は同じである。

  

第三に、Windowsと違って、ウィルスが圧倒的に少ない。その意味でセキュアな環境を作る事ができる。

<リナックスを使うデメリット

しかし当然だがXP用のプログラムは動かない。その意味ではWindowsでの開発や開発されたアプリなどは使うことができない。また周辺機器のドライバーがLinux用に無い場合はこれも使う事ができない。


使い方にもよるが、日常的に資料の確認、少々の修正などOfficeとメールが殆どの業務であれば全く問題無い。またホストのアプリケーションに関してはエミュレータが用意されていれば使う事ができるので、ホストのメーカーに問い合わせて欲しい。

またリナックスをどこから導入するかだが、企業である以上はタダだからダウンロードしてとは行かない。保守やらバージョン管理など運用上の課題が出てくる。これに対応する為にはホストコンピュータを提供している企業などに確認するのが一番良いだろう。OSはタダだが運用管理で費用はかかる。しかしOSを入れ替えるほどではないので、確認して欲しい。


5.iPadのようなタブレットを使う方法


さてドラスティックな変更に思えるかも知れないが、これが殆どの業務で利用する事ができる。ここでもOffice356は健在でタブレット仕様でタッチ対応である。またメールに関してもExchangeが使えるなどMicrosoftとの親和性が強い。またマイクロソフトがiPad用Officeを開発している事もガートナーのカンファレンスで発表された。


ただデメリットもないではない。当然タッチでソフトキーボードや、外付けキーボードがあるが、大量に文書を作成する場合は、PCのキーボードに劣ると言える。しかしタブレットでそのような業務は想定していないし、それ程資料作成する人には提供されるべきではない。

営業は外ではタブレットを持って、資料作成ではPCと言うのはあるだろうが、このPCも共有のものにしておけば人数分用意する必要は無い

小型軽量である事を考えて、会議や外出の多い管理職に持ってもらい、必要な承認処理などをどこでも行って貰える環境をつくるのも、意思決定や業務処理のスピード化になるだろう。


3回に渡って説明してきたが、最終的には貴社の判断で実施されるものだ。ただこの機会に機材を替えるかどうかは別として、PCの棚卸と称して業務を確認する事はされた方が良いだろう。ここからも改善の糸口が見えるはずである。


Windows XP Count Down(1)〜(3)の資料は弊社サイトからダウンロードできる




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